『水のしろたえ』

水のしろたえ
末吉 暁子
465207929X

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読了。


平安朝を舞台とし、羽衣伝説をモチーフにした少女のファンタジー。

坂上田村麻呂の蝦夷退治とか薬子の乱とか高丘親王のエピソードなど、歴史的な事実を踏まえた上で、あくまでも水底の国の住人だった母親の形見、水のしろたえを探し求める少女・真玉の成長物語となっています。テイスト的には児童書。

私としては幻想的なところがすこし物足りないかなーとおもいましたが、お話としては過不足無くまとまってます。

ちょうど神話解説などを読んでいるところなのでいちいちそれに当てはめて読んでいる自分がうっとうしかったり。

でもそういう意味ではこれは異種婚姻譚で、異界のものが人間の世界に同化する話なんだなー。
最近こういうパターンが胡散臭く思えてしまうんですが(ポニョにもそう感じた)、この話の中での異界はあくまでも夢であって現実をきちんと生きなさいね、というお話なんだろうな。

それなりに面白かったけど、あくまで人間側からの視点の話であり、真玉のおかあさん玉藻の決断も真玉の決断も、水底の国には悲劇でしかないのがなんとかならないのかーと感じてしまう私でした。

薬子の乱の薬子はかなり魅力的なお姉さまとして描かれていて楽しかったです。
高丘親王のエピソードは、そのものをテーマにした本が確かあったよなあと、ちょっと読んでみたくなりました。

そうか、宮中のことをしっかり書いている分、人間寄りの話になるのもいたしかたないかも。

エミシのアテルイまで出てきてきちんと役割を果たすのだから、この分量にしては登場人物もエピソードも多いし、かなり詰め込んだ内容だったのだなと思います。

……ちょっと詰め込みすぎだったんじゃ。

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