『二の姫の物語』

二の姫の物語 (フラワーコミックス)
和泉 かねよし
4091304176


読了。
以前からあちこちで評判を目にし、ずっと気になっていた作品です。
同著者の別タイトルが本屋にあったのを見つけてそれにとても惹かれ、でもノンブルがふってあったので「つづくのかー。どうしよう」と周辺を見渡したら単品のこの本が目に飛び込んできたので買ってしまいました。

いやー、面白かったです。ほんと、私の感じる正統派の少女マンガでした。

表題作、「二の姫の物語」。

舞台は中国風、異世界なのか古代なのかはよくわかりませんが、作者さんのあとがきによると和華折衷とのことなので微妙に異世界なのかもしれません。

才色兼備の一の姫、みんなに好かれる愛嬌の持ち主三の姫に挟まれて、とことんめだたない二の姫と、父の命令により彼女に仕えることになった時の宰相の息子の物語。

引っ込み思案でおとなしく自己主張をしないため愚図だとおとしめられていた二の姫。
父のような宰相までのしあがることを夢見る超有能だけど超俺様キャラの青推。

八歳と十一歳の出会いから育まれてゆくむすびつき、絆。
身分を意識するがゆえに距離を置いた間柄をつづけつつ、いつのまにか通い合う心と心。

いいなあ、これ。大好きだー。

不必要なものはとことん排除しそれでいて無理を感じさせない展開に、かつてのタイトだった時代のマンガを思い起こさせました。胸が熱くなった。ほんとに感動した。

なので、同時収録のつぎのタイトルページを見たときには、本気で倒れそうになりました。

「サーキットの女王様」
生存競争の厳しいレースクイーンのお話です。

「地上20mで会いましょう」
痴話げんかしているうちに学校の屋上に閉じこめられてしまったバカップルのお話です。

いや、読んでみるとけっこう本気で面白かったんです。
女性のプライドや意地や上昇志向や弱みや足の引っ張り合いなど、いろいろな負の感情を昇華させるお話を書ける作家さんなんだなあと、感心しました。

台詞が少女向けにしてはけっこうきわどいというかお下品だと感じるけど、イマドキの子はこれが普通で、私が年取ったせいなんだろなあと思うし。だいたい『銀魂』好きで見てるひとの言うことじゃないよね。

けど、シリアスな歴史物の次にこれはなかろうと。
おなじようなテイストの話で一冊にして欲しかったです。
こういう歴史物は作者さんも始めて書かせてもらったようなことがあとがきにありましたし、ということは定着したファン層もとりこもうという意図があったのだろうけど。

でもやっぱりー。と思ってしまう。

それからこれは作品感想とは外れますが、別コミもずいぶん雰囲気が変わってたんですねえ。私が読んでた頃は学園ラブもの載ってたんだろうけどぜんぜん覚えてません。ずいぶんと昔の話だから当たり前だとは思うけど小学館の少女マンガ雑誌の購買層って、私の頃とはずいぶん違うんだろうなあ。

ちなみに、読んでた頃に印象に残ってるのは渡辺多恵子『ファミリー!』とか吉田秋生『吉祥天女』とかあとは大野潤子とか……うーん、そのくらい? 田村由美はまだブレイクしてなかった気がします。

あ、古すぎて引かれた気がする(汗。

とにかく、今回とても楽しかったので、新しいシリーズが読みたくてたまらなくなりました。どうしよう、節約するって宣言したのに。

新シリーズはこちらです。
女王の花 1 (1) (フラワーコミックス)
和泉 かねよし
4091320090

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