『祈祷師の娘』

祈祷師の娘 (福音館創作童話シリーズ)
中脇 初枝
483402010X

[Amazon]


読了。

現代日本を舞台とした、少女の成長物語。かなりファンタジーですが幻想シーンはありません。

中学一年生の少女ハルは、田舎の町でおとうさんとおかあさん、和歌ちゃんと暮らしている。家は祖母の代から祈祷師をしており、地元では“おんみょうさん”と呼ばれている。ハルは家族が大好きだったが距離を感じることが多く、学校ではいわくつきの家の子としてやはり距離を置かれていた。



おむらよしえさんが紹介されていたので読んでみた本です。
これはとてもよい本でした。紹介していただきありがとうございます。

昨日借りてきたのですが、寝る前にちょっと雰囲気だけでも見てみようと思ったらもう、最後まで一気に読んでいました。
それほど長い話ではないとはいえ、こんなことは年に何回もあることではありません。

うーーーん、心にものすごくしみたあ………。

とりあえず、どんな感じのお話なのかは伝えなければと考え、すこしだけ書いてみましたが、私としては本当は予備知識のない白紙の状態で読んで欲しいとおもう本です。

言葉に敏感で字面にも気をつけているひとなら、冒頭から次第に明らかになっていく過程をかなり楽しめる本だと思うので。

物語的にはファンタジー要素がふんだんにあるのですが、主人公視点で語られる文章に幻想的な部分はほとんどありません。
それが何故なのかは読んでみるとあきらかなのですが、そのことが物語の雰囲気や展開そのものにも深く関わってくるのです。

うう。書きたいことはいっぱいあるのにダメだ、すべてネタバレになっちゃう。

いえるのは、主人公ハルが周囲の総てに距離を感じ、自分の居場所がないと思っているということ。
これは彼女が自分を受け入れていく物語なのだということです。

ある程度の年を重ねた人にも楽しめると思いますが、とくに若い方に読んで欲しいなあ。

祈祷師と周囲の関係、ハルの学校生活は、まさに舞台は現代の日本だなと感じました。
それから、金魚のエピソードがとてもよかった。

簡潔で端正で、地に足がついておりながら感覚的でもあり、ときおり現れる独特の表現にハッとさせられる、なんとも素敵な文章も魅力的でした。

超おすすめ。

ところで、この本、ネット予約してから届いた時間がいままでの最短だったような。受けとってから読んで感想をアップするまでもおそらく最近では最短だったとおもいます。

同著者のほかの本も読んでみたいとおもって調べたら、最近作は絵本でした。

こりゃまてまて (0.1.2.えほん) (0.1.2.えほん)
中脇 初枝
4834023435


幼児向けですが、とってもかわいいなあ。
手にとって読んでみたいなあ……。

Comment

わーい

こんにちは!読んでいただけてとてもうれしいです。
タイトルでかなりひく方がほとんどだろうなあと思いつつも、おすすめせずにはいられない快作でした。
心情が児童文学ぽくまっすぐだけな気持ちを描くだけではなくて、いろんな気持ちをすくいあげていくようなところがいいのかなあ。
大人の女性が読んでもすごくじんとくるような話でしたね。

正直、私もタイトルには少々抵抗があったのですが、読み始めたら話の中に吸いこまれたようになって、最後まで出てこられませんでしたよ!
こちらこそ、教えてくださってたいへん感謝しています。
読んでからもいろいろと心の中に残る話でしたよね~。

Comment Form

管理者にだけ表示を許可する

Trackback


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)