『泣き虫弱虫諸葛孔明』

泣き虫弱虫諸葛孔明
酒見 賢一
416323490X

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読了。

『後宮小説』や『陋巷に在り』の酒見賢一による三国志、おもに孔明視点の話です。

『三国志』というと私は北方謙三版しか通して読んだことがないわけですが、そんな三国志初心者でも平気で読める、すばらしいというか型破りなというかかなりぶっ飛んだ三国志です。

この作者様の小説はたいてい神の視点から作者が語っているのが明白なつくりになってるのですが、今回はこの語りが半端ではありません。『三国志』の非現実的なることをつつきまわし、登場人物の異常性をつっこみまくり。中国四千年のスケールがいかに小国日本の小市民的想像を絶しているかをこれでもかこれでもかと話しまくるのです。

凄いテンションです。
まるで『三国志』界の『銀魂』。
ツッコミ『三国志』とでも名づけたいような気がします。

おかげでどんな些細なエピソードも、その背景からこまごまと説明されて物語における意味やらどこが中国人的感性にうったえているのか、非常にいろんな情報を笑いとともに受けとることができるのです。

作者にかかると世紀の大軍師、諸葛孔明は、歴史上稀に見る奇人変人ということになります。しかもコスプレ好き!

そして劉備軍団というと理由のわからない人望を武器にその場凌ぎ場当たり的に生きのびてきたしぶとい首魁を中心にした任侠集団です。

もう、どのエピソードもおかしくて楽しくて、あはははと笑いながら読みました。
こんなに笑える中国歴史物があるなんて。真面目な『三国志』ファンなら湯気を立ててお怒りになるのではと心配してしまうほどです。英語版「ロマンス・オブ・スリー・キングダム」には笑いころげてしまいました。しかしあながち大嘘とも言えないよね、たしか『レッド・クリフ』とかいう映画の宣伝を見たような気がするし。ところで、赤壁がレッド・クリフと訳されるのにはどうしようもない違和感があるなー。

とたいそう楽しんで読んだのですが、ちょっと長すぎ。こんなテンションで485ページもつきあわされると息切れがします。もうすこし小出しに本にするとか、考えなかったのでしょうか。第二部はもっと分厚いと知ってちょっと腰がひけているところです。

しかし第一部は三顧の礼のところで終わっているのでねえ、孔明が本当に活躍してくれるのかどうかは第二部を読まないとわからんのです。

いや、物語的には充分活躍しているのですがね。軍師としてはなんにも、それこそなーんにもやっていないのでありますよ。

ううむ、どうしよう。

ところで、個人的には、煮ても焼いても食えないようなじいさまがふたりも出てきてくれてたいそう楽しかったです。
よしよし。

泣き虫弱虫 諸葛孔明 第弐部
酒見 賢一
4163251200

2008/08/23(土) | 読了メモ | トラックバック(0) | コメント(0)

『パロへの長い道 グイン・サーガ108』

パロへの長い道―グイン・サーガ〈108〉 (ハヤカワ文庫JA)
栗本 薫
4150308519

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読了。

異世界大河ロマン「グイン・サーガ」シリーズの108巻目。
久々に思い出したので借りてみました。
書店では120巻めが並んでいるようですが……、あいかわらず凄いペースで本が出てますねえ。
ただ、ストーリーの展開スピードはけして速くはないので、私はそれほど悲観してません。
いまや追いつこうという努力も放棄しているわりに強気です(苦笑。

グインが星船から帰還してからというもの、どういう方向に話が進んでいるのか皆目わからないわけですが、それを補ってあまりある寄り道ぶりにいくらなんでもこれは本編とは関係ないエピソードだろ、と感じてしまうこと多々あり。

今回はその典型例だったような気がします。
一夜の夢、あるいは悪夢?
グイン以外の同行者たちの記憶にはほとんど残らない、ということはグインの心境にのみかかわる話だったんだろうな。

正直に言いまして途中で読むのが面倒くさくなってしまったわけですが、今後はすこし違う展開が出てきそうだという期待とともに締めくくられた巻でした。

でもって、それがなんとなーく私の発想と似ているらしいことがちと気がかりだったりして。いやいや旅の一座を装って移動するなんて、誰でも考えることですよね!

ところで、本文の文章がさらにくどく、まどろっこしくなってきているような感触を受けたのですが、これは私の気のせいでしょうか。

豹頭王の挑戦―グイン・サーガ〈109〉 (ハヤカワ文庫JA)
栗本 薫
4150308578

2008/08/22(金) | 読了メモ | トラックバック(0) | コメント(2)

『犬夜叉 4』

犬夜叉 (4) (少年サンデーコミックス)
高橋 留美子
4091252044


神社の涸れ井戸を通って戦国時代にトリップした中学生のかごめ。
半妖の犬夜叉とともに四魂の欠片をさがして旅をする伝奇ファンタジーコミック。

ようやく4巻です。

今回は雷獣兄弟の話と、火事で死んだ女の子の幽霊の話。
異世界ファンタジーと現代ホラーのカップリングみたいな一冊でした。
現代の話は四魂の欠片さがしとあんまり関わりないような気がするのだけど、これも後々伏線になってきたりするのでしょうか。

そういえば、かごめは桔梗の生まれ変わりということですが、子孫でもあるんだっけ、どうだったっけ?
桔梗の妹の楓ばあさんをみるとどうも独り身みたいに見えるので、この姉妹の直接の子孫というのは絶えてしまっているような気がするんだけど、ここの関係はどうなってかごめと繋がってるんだろう。

まさか、かごめの先祖がかごめということはないですよね(汗。

犬夜叉 (5)
高橋 留美子
4091252052

2008/08/21(木) | コミック | トラックバック(0) | コメント(0)

『グリム童話集 上』

グリム童話集 上 (1) (岩波少年文庫 147)
ヤーコプ・ルードヴィヒ・グリム、ヴィルヘルム・カール・グリム 佐々木 田鶴子
4001141477

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読了。


グリム兄弟が集めてほとんど修正をほどこすことなく採話した、ドイツの民話です。
「カイエ・ソバージュ」の流れから手に取ったみたいですが、いや半ばはそうなんだけど、残りの半分は姪っ子に読ませようと購入したものの姪っ子がカタカナ名前に拒否反応を示したのでそのまま私の本棚に残っていたのを読んだということになってます。
だから少年文庫なんですよ。

だから、途中まではいろいろと考えながら読んでいたんですが、やっぱり私の頭には荷が勝ちすぎた模様で、途中でわけがわからなくなってきたのでもう背伸びは止め。そのままお話を楽しむことにしました。ふう。

私の印象に残ったのは、七番目の子供という存在がけっこう出てくるなーてことでした。
それと女の子の話の終着点が王子様に出逢って結婚することなのが、鼻についたこと。

王子様は王子様であればだれでもいいのか。王子様も相手が美しければだれでも結婚するのか。
むしろ私はどんな性格ともわからないお姫様を呪いがかけられているという一点に好奇心をそそられて探しに行く王子様ってのは、結婚相手としていかがなものかと思うわけですか。呪いという希少価値がなくなったら、とたんに飽きられてしまうんじゃなかろうか。

こういう話を現代的に……というか私が納得できるように再話するためには王子側にいろいろと仕込みが必要かもねー、と思ったです。

話の中では、「命の水」が一番好きでした。
末子成功譚ですが、雰囲気がなんとなく好き。具体的には紅海が出てきたりするのがよい(笑)。


オオカミと七匹の子ヤギ
ブレーメンの音楽隊
カエルの王さま
おいしいおかゆ
白雪姫
しあわせハンス
ひょろひょろ足のガタガタこぞう
いばら姫
命の水
親指こぞう
ガチョウ番の娘
ものしり博士
歌いながらはねるヒバリ
ホレばあさん
兄と妹
テーブルとロバとこん棒
ラプンツェル
フリーダーとカーターリースヒェン
三本の金の毛のある悪魔
猟師とおかみさん
白ヘビ
ツグミひげの王さま
鉄のストーブ
錘と梭とぬい針
六人の家来

解説



笑ったのは「ひょろひょろ足のガタガタこぞう」。
原題がルンペルシュティルツヒェンなんてだれが想像する? ドイツ語をたしなむ方には当然なのかもしれないけれど、私には完全に謎の言葉でした。
ということはこの子はゴルディロックスなのか、そうなのか。
子供向けよりも完訳を読んだほうが原型が詳しくわかるのだろうと思うけど、こういう素朴でストレートな表現で目をくらまされることはないだろうな、と感じました。
そうか、あの小人はひょろひょろ足なんだな……。

グリム童話集 下 (3) (岩波少年文庫 148)
ヤーコプ・ルードヴィヒ・グリム、ヴィルヘルム・カール・グリム 佐々木 田鶴子
4001141485

2008/08/21(木) | 読了メモ | トラックバック(0) | コメント(0)

20080819の購入

用もないのに本屋に入ったらいけません。

町でうわさの天狗の子 1 (1) (フラワーコミックス)
岩本 ナオ
4091313930


というわけで購入。

じつは、ちょっと疲れてむしゃくしゃしていたのです。
大ボケな私は月曜日に図書館に行ったのですが、その日は月に一度の全館休館日だったので。しかも時間が早かったので店はどこも開いておらず、そのまますごすごと帰宅した。
つまりすべてが電車賃とともに徒労と終わっていたのです。

しかもその日の夕方、眉間を蚊に刺されるし!
(かゆいし、みっともないんだって)

だから、何度考えても自分に腹が立つのでちょっと気晴らしをしたかったのです。
二日続けて図書館に出かけたあとで。
延滞すると図書の予約ができなくなっちゃうから、しようがない。自分が悪いのだから、しようがない。
でもやっぱり立つものは立つのです。

というわけで、以前からなんとなく目に入っていたマンガを買いました。

後で考えたら、無駄になった電車賃より高い気晴らしだった。

これからはよくよく考えて気晴らしすることにします。

2008/08/20(水) | 購入 | トラックバック(0) | コメント(0)

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